2017年3月27日月曜日

パスキンの少女像・二題

月曜日・冬戻りのような冷たい雨

久々の「名作美術館(その214)」
「パスキンの描いた人物像:少女」

前回、当コーナーで記しましたが、高画質な画像がネット上で少なくなっているような気がします。
そこで今回は、以前に検索してダウンロード・保存してあった筆者の資料の中から、ご紹介します。

左:「帽子を持つ少女(Little Girl With a Hat)         右:「ランチ(Le Dejeuner)」1923
ジュール・パスキン (Jules Pascin, 1885-1930) , Oil Paintings

フランス・パリで活躍したエコール・ド・パリの時代のブルガリア人画家、パスキンの油絵2点を取り上げました。
当コーナーでも度々紹介してきましたパスキン作品ですが、それらに共通する暖かで親しみのある画風が快感です。
言葉の説明の不要な画面ながら敢えて言及すれば、室内のホンワカとした空気感が心地良い雰囲気を湛えています。
一見、頼りなげに見える筆致と渋めの色調とが、少女のはかない存在感を間接的に高めているように見えてきます。

左の「帽子を~」の帽子トップの窪みの影の形状のせいで、筆者の遠目にはドクロにも見えてきてしまいました。
そう見立ててみると、少女の表情や目線もまた違ったものに感じられて、絵画の鑑賞がいっそう楽しくなります。
描いた画家の思惑とは別に、見る者の見方・感じ方・捉え方で幾重にも解釈が成立するのが「絵画」の妙味です。
想像力豊かな、独自の妄想を自由・気ままに楽しみましょう。それもまた絵画鑑賞の王道の一つです。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その266):春待ち歌(その2)」

前回の当コーナーに続いての春待ち歌の2回目、筆者の大好きな曲を取り上げました。
原曲はビートルズのジョージ・ハリソンが、彼らの実質のラスト・アルバムのB面冒頭で刻んだ珠玉の名曲です。
曲名のサン(太陽)、初めての寒い冬を経験した南国育ちの筆者にとっては「春」の代名詞にも聞こえました。
特に3番の歌詞の "I feel that Ice is slowly melting ~"と言う下りが、ジョージの発音も含めてとても好きです。

本当は彼らの原曲を紹介したいのですが、残念ながら現在の著作権者の意思でネット上には存在していません。
権利保護とは言え、個人的には大きな文化的損失だと考えます。今回はそのカバー曲を2曲、取り上げました。
1曲目は、米国はカリフォルニア出身の女性シンガー・ソングライターのバージョンを・・・。
2曲目には、以前にも当コーナーで紹介した伝説的女性ジャズ・シンガーの同じ動画で・・・。
では、筆者には「春」到来を感じさせるこの名曲を、カバーなりの良さ・魅力でどうぞ・・・。

「ヒア・カムズ・ザ・サン」/ コルビー・キャレイ
" Here Comes The Sun " / Colbie Caillat
動画1分過ぎのビーチでの1シーン、警告看板の前の少女の後姿、可愛くて笑っちゃいますね。


こちらも以前に記しましたが、古い自転車か、往年のミニあたりで散策を楽しみたい牧歌的世界が快感です。



東京での桜(ソメイヨシノ)開花宣言後、何故だか冬戻りのような冷たい日々が、ここ数日 続いています。
これもまた「花冷え」の一種なのでしょうか?
筆者の生まれ島辺りを通過した黒潮由来の水蒸気で霞む「春爛漫」のお日様の下、花吹雪を存分に楽しみたいですね。

By T講師

2017年3月21日火曜日

チャック・ベリー追悼特集

火曜日・雨

筆者の当コーナーを利用して、緊急(でもないか)特集を組みました。

現在のポップ・ミュージックの基礎を築いた偉大な音楽家の訃報が飛び込んできました。
その名は皆様ご存じチャック・ベリー。さる3月18日に90歳でこの世を去りました。
20世紀中期(1950年代)において、ロックンロールを世に送り出したシンガー兼ギタリストです。

「デイリー・ギャラリー(その55):チャック・ベリーのイラストレーション」

 今回はチャック・ベリーの視覚的トレードマークである「ダックウォ―ク」をモチーフにしたグラフィックスです。
下3点は同じ写真を基にした作品、ポップ・アーティストのウォーホル風な画面作りで、各作者は不明です。


上3点はアルバムやポスターのグラフィックスで、彼独特のアクの強い感じが表現されているようです。


下は在りし日のチャック・ベリーの雄姿で、愛用のチェリー色のギブソンES-355を抱えてる写真です。
右写真は有名な「ダックウォーク(アヒル歩き)中のチャック・ベリー。


* * *

「ミュージック・ギャラリー(その266):チャック・ベリー追悼特集」

このコーナー、筆者にとってはもうこの曲をおいて他は考えられませんでした。
「ロール・オーバー・ベートーヴェン」や「メイべリーン」等、数々のヒット曲も霞んでしまいました。
リアルタイムなヒット時には遭遇しませんでしたが、当時の数少ない映像でその存在・姿を知りました。
筆者・中学時代に初のプロ・バンドのライブで出会い、そのアップ・テンポなリズムにKOされました。
そのギターのイントロやダウン・ストロークだけのパワー・コード・リフ、皆で必死にコピーしたものです。
筆者が最後にこの曲をバンド形態で演奏したのが美校3年生の学園祭で、亡き友人が意訳して歌いました。
学園祭用の即席バンドゆえ、その出来は今一でしたが、今も友人作のその歌詞が脳裏に焼き付いています。

正にロックンロールの教科書とも呼べる超代表的名曲で、その後色々なバンドのそれを何度聞いたことやら。
借り物ではない、その内から生ずる彼独特の音空間や動的世界、久々にそのシャワーを浴びたいと思います。

チャック・ベリー、「ジョニー・B.グッド」
Chuck Berry, " Johnny B. Goode" (Live 1958)

今となっては貴重な若かりし映像ですね。スタジオの観客たちのシレ―ッとした雰囲気が時代を感じさせてくれます。
ノドとギター1本で、保守的だった当時の米国社会に切り込んでいった様は正にギター侍とでも言える風格が。
彼が生み出した「ダックウォーク」、個人的にはカッコ良いとは思えませんが、ギター・リフにはピッタリです。
訛りっぽい英語が魅力的で、筆者はその後、更にディープなカントリー・ブルースまで好きになっていきました。
黒人独特の訛り言葉のエグい魅力にハマっていった、その端緒となった曲(ヴォーカル)のような気もします。
チャック・ベリーの風貌、故郷の筆者の周辺には似ている人達がいて、個人的には親しみを感じてしまいます。


こちらは映画「バック・トゥー・ザ・フューチュアー」での有名なロックンロールの誕生・発明シーンの場面です。
マイケル・J・フォックス演じるマーティーが、過去のチャックベリーの甥に新リズムを教えると言ったシチュエーションです。

「ジョニー・B・グッド」、映画「バック・トゥー・ザ・フューチュアー」より、(1985)
 " Johnny B. Goode"、From Movie "Back To The Future"

筆者、今でも時々鑑賞する大のお気に入り映画で、面白い発想と映像がいつも楽しませてくれます。

何はともあれ、20世紀に大きな足跡を残し、現代のポップ音楽のあらゆる基礎を築いた音楽家です。
エルビス・プレスリーもビートルズも、その後に続く多くの音楽革新者たちも彼の影響下にあります。
そんな偉大な音楽家の追悼特集を組む過去と今の「時」の流れや蓄積に、深い感慨を覚える一人です。
感謝。
R.I.P (Rest in Piece) CHUCK BERRY(Charles Edward Anderson Berry)


By T講師

(自宅でのネット不通にて、編集・推こうに充分な時間が取れず、中途半端になった感がありますが、ご勘弁を)

2017年3月19日日曜日

デイリー・ギャラリー(その54):「水引」

日曜日・晴れ
3連休の中日

今週、恒例の「名作美術館」はお休みします。
以前にも言及しましたが、ここ最近 画質の良い作品画像に行き当たらず、少々 困惑気味です。
世に言う「名作」なる誰もが認める名作の画像は数あれど(例えば「モナリザ」等ですが)、
それらの紹介や論評は世界的にも膨大で、筆者のこのコーナーでは現時点では食指が動かず、
今回は、敢えてパスすることにしました。
超有名な名作絵画に関しては、またの機会に取り上げたいと思っています。
また平面作品だけではなく、彫刻や工芸品等も取り上げてゆくつもりです。



前置きが長くなってしまいました。

さて今回は、
当コーナーでは2回目となるデイリー・ギャラリーをアップすることにしました。

「デイリー・ギャラリー(その54):水引」

今回の特集の「水引「は、私たちの生活の節々に密着して欠かせない伝統的な飾り紐です。
結婚式や卒業・就職祝い、または引っ越し祝い等の慶事や祝儀、または逆の不祝儀に広く使われています。
ご祝儀(金銭)の封筒や贈答品の包み紙等にかける飾り物の総称で、実際の紐や印刷等が用いられています。
祝儀の際には、めでたさを象徴する紅白や金色、その逆の弔辞の際には白黒や銀色等でその意を表します。

「水引」の語源や由来は所説あり、遣隋使の貢ぎ物の記しや、中国・明からの輸入品の記し説など多数あり。
西洋文明におけるリボンやラッピングにも近い存在だとも言え、送る側の心を象徴する言葉の代用品です。
様々な形や色や素材があり、あわじ結びや蝶結びが代表的で、色も慶事の内容によって使い分けるとの事。
めでたい象徴の「鯛」や長寿の「鶴」等を模した飾りもあり、人々の生活や目を楽しませてくれています。

以下は慶事に使われる「水引」の一部を紹介します。






色々あって、楽しくも深い世界ですね。贈る側も、いただく側も、晴れやかな嬉しい気分が倍増です。
昔日から現代へと引き継がれる装飾職人たちの心意気や、その洗練された感性が微笑ましいですね。
無意識に引き継いできたこれらの伝統文化、これからも大切に愛でていきたいものです。


余談ですが、市内の地名にも「水引と言う場所がありますが、その由来は一体何なのでしょうか。
気になるところです。
余談ついでの余談・寄り道ですが、沖縄のうるま市(旧・具志川市)に昆布と言う住所があります。
昆布など取れない南国の沖縄、その住所地出身の知人にその由来を尋ねたところ、皆目 不明との事。
しかも筆者のその質問まで考えたこともないし、家族・住民たちで話し合ったことも一度も無いとの事。
いやはや、ラテン的・南国の故郷の人々らしいアッケカランとしたエピソードです。

生まれた時からそこに在る物や習慣、案外そんな風に無意識・無自覚もまま、受け継がれているのですね。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その265):春待ち歌」

今回のこのコーナー、「春待ち歌」としましたが、取り上げる曲は春とは無関係かも知れません。
これまでのように、筆者の脳裏で自動的にかかった曲で、最近の景色を見て浮かび上がりました。
根拠なしの独断は承知の上、ちょい懐かしのこんな曲をネット動画から2曲もお借りしてきました。
日本語の詞とメロディーがうまく溶け合った名曲・名唱・名アレンジだと思います。
では、2曲続けてどうぞ。

スピッツ、「ロビンソン」(1995年)

ボーカルの草野マサムネ君が向かうのが、筆者たも若き頃に憧れた米国シュア―社製の通称「ガイコツ・マイク」です。
アルミ削り出しのその外観がカッコ良く、中学時代にTVで見たグループ・サウンズの数々のバンドが使っていました。
そのレトロな雰囲気と高品質さが今でも若者たちに絶大な人気があり、アトリエ生徒のMSさんも所有しているとの事。
バンド名の「スピッツ」も、曲名の「ロビンソン」も不思議な命名です。その由来も面白いエピソードです。
いつ聞いても新鮮な説明の要らない名曲です。

こちらもまたスピッツを代表する楽曲の一つです。

スピッツ、「君が思い出になる前に」(1993年)

これまた説明など野暮な名曲ですね。
日本語の歌詞と旋律がブリティッシュ・ポップ・ロック・バンドのようなアンサンブルと見事に融合しています。
草野マサムネ君の使用ギターもジョン・レノンで有名なエピフォンのカジノのナチュラル仕様で良い感じです。
リード・ギターの三輪テツヤ君が持っているのは、コーラル社製の希少なエレクトリック・シタールです。
インドの多弦楽器シタールのような復弦風な音色を得るために、共鳴用の弦がボディーに設えられています。
オブリガートのその美しいメロディーと音色が、この楽曲の「影の主役」とでも言えるかも知れませんね。

PV動画で降ってくる柔らかそうな羽毛が、桜の花が散るようでもあり、暖かな雰囲気が春らしくもあります。

* * *

祝いの春はまた別れの季節で、若者たちの涙の季節でもあり、筆者も昔日に船で故郷を後にしました。
その当時は色とりどりのテープを桟橋と船上の人々の間で投げ合って、その別れを惜しんだものです。
その虹色に滲んで霞んだテープが束となり、風になびき、やがて引きちぎられて・・・。
その間の随分長くも感じられる離岸と、声も姿も小さくなってゆく見送りの人々・・・。
その黒い一群の中で家族や友の姿が人々の間に消え・・・。
デッキの上の無数のテープも、深く青い波にのまれ・・・。

その「春」も、今は遥か昔。
見送ってくれた友も今は亡く。
迎えられる「春」に祝福を。

By (センチな気分の)T講師

2017年3月18日土曜日

ウィークリー・ダイアリー(その5)

「ウィークリー・ダイアリー(その5)」

今回も身近な平凡な日常をアップしました。
「春待ち日々」

美しく澄み渡った青空を擁する大陸生まれの乾いた大気が去り、代わりに水気を含んだ大気が南から訪れ始めました。
「春」は日毎にその足音を増し、里のそこかしこでその息吹きを感じさせてくれます。

早々と芽吹いたアトリエ生垣の紅カナメモチ

アトリエ玄関脇で咲き始めた隣家Oさん宅の遅咲き・枝垂れ梅

来週には関東でもソメイヨシノの開花が始まるとの予報も・・・。
待ち遠しかった春が、もうすぐそこです。

* * *

「 T講師のアート・ワーク(その17) 」
「T講師のクラフト・ワーク(その23)」
合体編

「筆者・手作り自動車たち、引っ越しす」

2階アトリエの画材棚の上に飾られていた筆者作の木製自動車たちが、階下アトリエに移転しました。

筆者が10年程前に製作したレトロ調・自動車の雄姿(2階アトリエにて)。

2階アトリエ、新年度から平日は学童クラブの部屋となります。
その一環として、筆者の作品たちがお引越しを決めたものです。
しかも展示中に、手作りのパーツが紛失することも度々でした。
アクリル厚平板を削って半円・立体的にしたヘッドライトや、曲線的なドアノブなど、再製作も困難です。
このままではレトロ・カーがポンコツに成り下がってしまうので、避難を兼ねてのお引越しも良い機会です。


階下の筆者アトリエに永住(?)新天地を求めた自動車たち (全長1台、約50~60cm)。

さながら50~60年代のオキナワ時代の「トーマ・モータース」のような趣プンプンです。
筆者の幼年時代の原風景として、今も網膜に焼き付いているアメリカン・カーたちです。
製作年は、大体 左上の記念すべき第1号のボンネット・バスから順に右下へと降ります。

収納棚の方はアトリエ玄関ドア脇にあった大型本棚を流用、中仕切りを取ってリメイクしました。
下の棚の3台は未完のままで放置されていたものですが、完成品6台とめでたく合流しました。
多忙にて未だ3台に完成のメドはなく、フル・リタイヤでもしない限り、製作再開は不可能です。
でも、いつかは製作再開して是非とも完成させ、筆者の脳内にある新作にも挑戦したく思います。
その時は展覧会を企画・声をかけてくれたアート・ディーラーさんのお世話になりたいものです。
「不義理・陳謝」

* * *

「学童クラブ便り(その115)」
以下は「学童アトリエ」の様子をご紹介。

3学期になって益々低調(!?)となったアトリエでの描画タイム、その少数女子たち作品、ご覧あれ。
( 残念ながら、未撮影も多し。 )

T/Mkちゃん(小1)作品「ネコちゃん」。

 *


H/Rnちゃん(小2)の「鳳凰図・模写」
アトリエ生徒 兼 学童クラブ助手の YYさんの作品に触発されて、描画進行中。
気に入らなかった線描輪郭や彩色部を不透明・白色絵具にて、バッサリ消去。
描き直しを始めました。
そのダイナミックな思い切りの良さや、不屈の根性には脱帽です。
続きも楽しみです。


以前は頑張って精力的に描画していたCzちゃん(小2)、現在は友達との遊びやプラ版に夢中。
チョー久々に描画を再開、茶色や赤など各部3色の下地を乗せました。
時々でも良いから、諦めずに最後まで頑張ろうね。


学童バンド女子の3名、こちらも久々の描画開始。
描いてくれれば、それこそ上手な面々ですが・・・。
来週も続けてね。
(学童バンド、今週は外遊びで多忙。合同練習なし。)


一人 早帰りのEiちゃん(小1)、仲良しのYYさんの傍らで今年初めての描画。

可愛いワンちゃん&ニャンコちゃんを上手に3匹描き上げました。
時々は描いてね。




 こちらも久々描画のYukちゃん(小2)、色合いも素敵な可愛いキャラクターです。
下の絵は未完ながら、絵具負けしない迫力タップリな画面です。
ポケモンのキャラ+情景の付加絵、 次週の仕上げが楽しみです。

* * *

「新バンド結成」

先週の事、小2の3名、バンドを作りたいと筆者に申し出。
歓迎の旨、承諾すると大喜び。早速 夢のレパートリー選びを始めました。
燃え上がった3名のリストアップ曲、何と10曲以上で、しかも難曲多し。
バンド編成(楽器構成)は良しとしても、マイルストンで習っているピアノ以外は、全員が初心者。
バンド編成のための楽器習得は時間を味方にして、長い目で着実に積み重ねていくしかありません。
されど、その心意気や良し。
果たしてどうなるかは皆目 分かりませんが、面倒を見てゆきましょう。

レパートリーの打ち合わせをする新・小2バンド結成の面々。
左からキーボード担当のJnちゃん、ドラム担当のSkちゃん、そしてギター担当のH・Rnちゃん。

ギター担当予定のH・Rnちゃん、その素質や根性は既に実証済みながら、何せ手があまりにも小さ過ぎ!
ウクレレか、または小振りのギタレレ(ウクレレとギターの中間判)で、練習をしていくしかありません。
そのH・Rnちゃんの初練習をギタレレ使用にて行いましたが、ギタレレですら大きく見えました(未撮影)。
「頑張ろう!」

ドラム担当のSkちゃん、多忙な筆者を煽って、2日間に渡ってその入門練習が行われました。
左右の手首を用いたスティックさばきや右足さばき等、そのリズム感は素晴らしく即刻に基本を習得!
しかも帰宅出発際・直前まで熱血練習(写真右)に打ち込んでいました。
「いやはや、なんともはや・・・」「頑張ろう」

* * *

「 T講師の三線(サンシン)教室(その):YYさんのサンシン入門 」

第1回・練習曲の「ティンサグぬ花」も、抒情・音量 共に豊かに弾きこなし始めています。
前回から開始した2曲目・練習曲「安里屋ユンタ(八重山民謡)」の弾きこなしも順調です。
今日は練習3曲目として、ザ・ブームの世界的ヒット曲「しまうた」の読譜も始まりました。
三線と言う楽器、YYさんの空間認識やタイム感覚に合致していて、なかなかの上達振りです。
今後もますます楽しみです。

* * *

「筆者後記」

来たる「春休み」や「新年度」を迎え、筆者やその周囲もますます多忙になってきました。
言い訳になりますが、絵画制作のためのまとまった時間も充分には取れず、焦り気味です。
しかも加えて、自宅でのネット利用のブログ編集も月内は不可能とあって、結構ショックです。
便利なWiFiルーターも無用化し、圏外表示が恨めしく、ネット依存度の高さに驚いてもいます。

そんな中の帰宅後、仲良く丸くなって眠るネコたちの姿を見ると、心は癒され和んできます。

と言うことで、オマケの「マイルストン・ネコ3態」


左:リーダー、姉御のメメちゃん。 右:不思議ネコのポポちゃん。

「ブサカワ・トリオ」、親バカでアップさせていただきました。
寝姿は食いしん坊の玉無しビビちゃん、最近 とみに「メタボ・ニャンコ」と化してきました。
「 お互い、気を付けようね。」


「春来たり、命往き育ち、時(とき)代(変)わり」

By T講師

2017年3月6日月曜日

名作美術館:師弟の金銀・紅白梅図

月曜日・雨

「名作美術館(その213):師弟の金銀・紅白梅図」

当コーナーでは久々の江戸絵画の登場です。
今日は時節柄にちなんんで「梅」の花の特集です。
作者は江戸時代に活躍した琳派の絵師・酒井抱一で、作品は御覧のような「紅白梅図屏風」です。
琳派とは言っても江戸の絵師集団「狩野派」等とは違い、個人的に尾形光琳を私淑した人物たちの事です。
師とされる光琳とは時代も違い、直接的な繋がりは無く、後世にその画風を知って影響された絵師たちです。
今回はその代表的絵師である酒井抱一の描いた「紅白梅図」を取り上げてみました。


酒井抱一「紅白梅図屏風」、紙本銀地著色、六曲一双、出光美術館

「左隻の白梅」(ネット上に右隻の紅梅の上質画像はありませんでした。)
画像、撮影時のライティング(照明)で、残念ながら白い梅の花々が背景の銀地に埋没しています。

江戸時代、金は太陽の光を、銀は月の光を象徴しており、そう言う意味では抱一作品は夜景なのかも知れません。
またその寒色系的な画面からは、春の到来よりも冬に在って先駆ける梅の持つ生命力を描いたのかも知れません。
またはネット上の他のブログに記されているように、師の光琳を太陽、追随する自身を月に見立てていたのかも。

「三寒四温」の季節の変わり目・狭間にこそ相応しい冬と春が混在・調和しているような厳しさと逞しさの競演です。

* * *

酒井抱一が師と仰ぐ琳派の祖・尾形光琳の「紅白梅図屏風(国宝)」をアップしないわけには参りません。
ついでと言っては語弊がある、あまりにも大きな日本美術の傑作・人類の宝です。

尾形光琳、国宝「紅白梅図屏風」、MOA美術館

下図はMOA美術館で監修・推定復元された当時の変色・経年変化前の屏風の様子を再現(上)。


画面中央部の流水には銀箔が貼られており、その表面に硫黄を塗ると化学変化により黒変するとのこと。
その変化を光琳が積極的に利用して、あの有名な渦巻模様を描いたのではないかと推量されています。
絵画のみならず、多岐に渡る各種工芸にも精通していた光琳ならではの独特な技巧かも知れませんね。



下は筆者撮影の紅白梅。枝振りや樹形、またその背景を含め、絵になる梅の木にはなかなか出会えません。



梅の木の姿や背景はともかく、撮影時、可愛いメジロに出会えるだけでも嬉しいものです。
但しその動きは素早く、反射神経の鈍い筆者には到底撮影できる相手ではありませんでした。
広角レンズだとその姿あまりにも小さく、望遠だとあまりにも手ブレひどく、手に余る命。
「薄寒くも仄温かくもあり、眩しくも薄暗くもあり、人の世と里の春三月」

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その264):追悼特集」

筆者・若かりし頃に出会った音楽家がまた一人、この世を去りました。
遥か昔日の中学時代に流行したグループ・サウンズの数々のバンドにハマり、大好きになりました。
ザ・スパイダースのギタリスト(兼・作曲家)として、時に前面、時に縁の下の力持ちとして活躍。
独特の髪形や愛用ギターは、筆者も大好きだったストーンズのブライアン・ジョーズの影響でした。
ソロのこの曲はカントリー・タッチの歌唱法で、イントロではC.S.N&Y風なハモンドが印象的です。
飄々とした風貌や生き様が同時代のみんなから慕われ、若い音楽家世代にも支持されてもいました。
代表曲やその引き出し多く、選曲に色々と迷いましたが、筆者が最も愛唱したこの曲を選びました。

「どうにかなるさ」、唄・詞:かまやつひろし、曲:山上路夫(1970年)

中学時代にはエレキ・バンドで彼の曲を熱唱し、フォークの洗礼を受けた高校時代には生ギターで愛唱したものです。
スパイダーズでの「バンバン」「フリフリ」でのキッチュ・ブルージー・パンクなギター・リフと歌詞。
ソロでの「君はゴロワーズを吸ったことがあるかい」「我が良き友よ」等での間口の広い抒情世界。
ちょうどその頃、偶然にもフランス煙草のゴロワーズにもハマり、タイムリーさに驚いたものです。
「どにかなるさ」のミディアム・シャッフル・ワルツ、生ギターで久々に口ずさんでみるつもりです。
懐かしき70年代、暖かき昭和の香り、春を待たずに今また遠のき・・・。
ムッシュと呼ばれた自由人、その奥方もまた数日前に旅立たれたとのこと。
冥福をお祈りいたします。

* * *

ついでの「ミュージック・ギャラリー:懐かしのCMソング」

上のかまやつひろし氏の「どうにかなるさ」と共にセットで歌われていた曲をもう一つ紹介します。
こちらもグループ・サウンズのザ・モップスのボーカリストだった故・鈴木ヒロミツ氏の名曲です。
レイドバックした歌を聞かせてくれるCF内のロン毛・ボーダー・オーバーオール姿の彼が当人です。
このCM、当時はとても話題になり、若者たちにその緩さ・脱力感が一種の憧れにもなったものです。
学生運動や反体制で熱く燃え上がり、やがて挫折した時代の若者の心のささくれを癒してくれました。
筆者らも、キャンプやビーチ・パーリー(故郷ではパーティーの事をそう言ってました)で愛唱しました。
どうぞ、御覧(お聞き)ください。

「気楽に行こうよ」、鈴木ヒロミツ、モービル石油TV・CM(1971年)


高校時代の夜や日曜日、試験勉強と言ってはみんなで集まり、その実はドライブを楽しんでいました。
その行き先は、まるで外国のようだったコザの町や、女子宅や、海辺や、幽霊の名所だったりでした。
夜中に誘って連れ回した女子など、家族が心配して捜索願いが警察に出され、大目玉を食らった事も。
遠方・深夜にガス欠やキャブ不調等に時々見舞われ、色々な場所で色々な人々のお世話になりました。
CMさながらに、サトウキビ畑の続く星降る田舎道を車の後ろをひたすら押し続けたこともありました。
けん引していただいたピックアップのヘッドライトと運転手さんの顔が神々しく輝いても見えました。
そんな明け方に、空腹でヘトヘトになった筆者らにハンバーガーを御馳走してくれた米兵もいました。
その若い米兵の車がチョー・オンボロの軽で、座席が何とリンゴ箱、床には穴が空き、道が見えました。
そんなビンボーなのに、気前よく笑顔で筆者ら5名全員にコーラとバーガーをおごってくれたのです。
( 後で泣いたのでは・・・😭。)

昔日の「若気の至り」とは言え、広い大きな心で接し助けてくれた多くの島人と米人たちに感謝です。
故郷の南島が、かつてオキナワ(Keystone of The Pacific)だった頃の思い出です。

By ( 向こう見ずでノンビリ屋だった)T講師 ( エッ、今でも?)