2018年1月8日月曜日

冬唄:熱き沖縄音楽ふたたび

月曜日・曇り

国民の祭日「成人の日」

アトリエは冬休み中

新春・第2弾として、今回

「名作美術館」

をアップする予定でしたが、
その作品画像、新年初の(度々発生の)PCトラブルにより所在不明となってしまいました。
トラブル収拾し編集出来次第、すみやかにアップする予定です。今しばらくお待ちください。
そのアップがいつになるのやら不明なので、下コーナーだけでも先行して急遽お届けします。

* * *


「ミュージック・ギャラリー(その300):冬唄ー4」
「前回紹介動画・原曲音源編」


前回、youtube上からお借りした沖縄の芸能「エイサー」動画、お楽しみいただけたのなら幸いです。
青春を完全燃焼させて、かつ見る人々にも活力と感動を届けるそのひたむきな姿は正に若者の鑑です。
成人式の報道で毎年登場する故郷の一部の無礼者たちの姿を見る度に恥ずかしくなってしまいますが、
そんな哀れな輩共はさておいて、その対極の目映く美しい若者たちに心を洗わせてもらっています。

(*^-^*)
⇒ 感謝 ⇐


さて前回のエイサー動画、
その渾身・珠玉のパフォーマンスには励まされますが、その背景に流れていた音楽の音質に問題があり、
エイサーの演舞と共に大事な音楽自体の方が不充分だったので、今回はその良質な音源をお届けします。
またそのオリジナル音源をお借りするにあたって、その歌詞(訳詞)もネット上からお借りしました。
エイサー隊の素晴らしい演舞と共に、使用楽曲の胸かきむしる勇壮な世界も是非とも堪能して下さい。


まずは1曲目、

歌と作曲はイクマあきらさんと言う方で、沖縄に魅せられて東京から生活拠点を移したとの事。
作詞は八重山・小浜島出身の演出家の方で、その雄大な詞の世界に沖縄県民はゾッコンとの事。
県内をはじめ高校野球の仙台育英なども応援歌に使用、全国各地のエイサ―でも使用中との事。
良質音源版、どうぞ!

「ダイナミック琉球」、歌・作曲:イクマあきら、作詞:平田大一
 " Dynamic Ryukyu ( Okinawa ) " / Akira Ikuma

「 詞 」

                    海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き
                   (かけ声)ヒーヤササ、スイ、ハイヤ・イヤササ、スイ!
                    海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き                     風に吹かれて島を歩く 夢に吹かれて海を渡る                     月に吹かれて涙を流し 罪に吹かれて明日を想う                     見果てぬ夢は 奏でてる想い 問いかける未来 走るあの空へ                     風よ 光の風よ 巡る運命(さだめ)の導(しるべ)よ
                    大地吹き鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き                     ~口説(くどぅち、ラップ)~                     南風(バイヌカジ)吹く、うりずんぬぐとぅに 、胸(むに)ぬ想(うむ)いゆ 語てぃ話さな                      海ん渡りてぃ、島ん巡りてぃ、我(わ)した青年(にせた)の肝(ちむ)やドンドン                     ティーサジ めーうち、歌ゆサンシン(三線)
                    ハイヤ・イヤササ、ハッハ・イヤササ、ハイヤ・イザイザ~~
                    星の言葉(ことのは)波に浮かべて 夜空を渡る夢のサバニ(小舟)                     久遠の空に流れ星ひとつ 波は想いを寄せて返す                     名も無き民の 声なき歌を 道に立つ人よ 風に解き放て                     宇宙(そら)よ 燃える太陽(ティ-ダ)の 命の息吹に夢                     雄々しく広げた翼 天高く宙を舞う                     海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ                     大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き                     島の太鼓ぬ響き                     島の太鼓ぬ響き

筆者注:大まかな説明を付け加えると、「うりずんの如し」とは沖縄の2~3月頃のことで、
北西からの季節風(ミーニシ)が止み、南国らしい季節が蘇る時期のことを指しています。
「ちむ(肝)やドンドン」は、胸騒ぎや高鳴るの意で、胸がドキドキするの擬音的表現です。
「にせた」は青年達の意、青二才の語源と言われる日本語の古語・青侍から転じているとの事。
「ティーサージ」は手ぬぐいのことで、メーウチは多分「(鉢巻)頭に巻いて」の意味だと、
前後から推測しました。沖縄語ベテラン級友たちにも不明ですが、解り次第、後述します。
「サバニ」は沖縄伝統の漁船で、その流線形の船形は今でも競争艇としてレースにて活躍中。
ちなみに
サバニは平底の和船とは異なる狭角底をしており安定性に欠けるものの半面復元力があり、
帆使用にて遥か遠くインド洋にも遠征。日露戦争ではバルチック艦隊発見・報告の活躍も。

以上

* * *

2曲目もまた壮大な曲調が最大の魅力で、その無国籍風な世界は筆者を瞬時にトランス状態にさせてくれます。
幽玄そのものの作詞作曲・歌を手がけている方は「日出克(ひでかつ)」と言う地元沖縄のミュージシャンです。
こちらも八重山は竹富島の出身で、県内・国内に留まらず、ハワイやインドネシア等アジア各国でも人気との事。
その摩訶不思議世界、良質音源版、どうぞ!

注:筆者後記:動画の利用が後日 制限されてしまいました。
動画・画面内の「youtubeで見る」をクリックの上、お楽しみ下さい。

「ミルクムナリ(弥勒舞降)」、日出克
" Mrukumunari " / Hidekatsu ( Okinawa )

「 詞 」

             沖縄の八重山地方の方言です。  日本語(標準語)訳↓
             今年も弥勒世果報(みるくゆがふ)で豊年の年である 
             弥勒の神様(加那̪志)が天から舞い降り、五穀の物種たずさえ お見えになって、
             各、家庭、家庭の人数分 家も人も増えたら その分も収穫増やしてくれたとさ

             今年の稲の収穫具合と申すなら 折り重なる程 相当実り 万、万、万作の 出来ばえであったとさ              それを御所に盛って 神様にお供えして お供えして その残ったその残りの米を              倉庫に積み上げ、母屋に積み上げ なに!それでも余ったのか  ならばというわけで              我ら若者衆が 甘酒 辛酒たくさん作り 飲んで騒いで遊ぶということになったわけさ
             サッサハイヤ、ヒヤササ

* * *


しかし何処で、どう言う暮らし、どのような考え・感性をしていればこんな非凡な曲が湧き上がってくるのでしょうか?
故郷の沖縄には、本土的価値観では計れない個性の持ち主がワンサカとおりますが、それにしてもヘンテコ振りが凄いです。
またこの曲を世に送り出すべく、またかくも摩訶不思議にアレンジした(特にイントロ)人もまた凄い想像力ですよねえ~。
詞と旋律と声と編曲がまるで同時発生したような完成度、東京的商業的企画物からは決して生まれ出ては来ないでしょう。


冬最中(さなか)に聞く故郷・沖縄生まれの熱き音楽たち。
踊るエイサー隊の情熱の汗飛沫が飛んできそうで快感です。
冬最中の今日、何と桜咲く頃4月上旬並みの暖かさでした。
黒潮の風に載せて本土にも一足先に春風を届けてくれたようです。
「嬉しいですね~!」
(1月9日 記)

(*^-^*)


By T講師


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