「名作美術館(その223)」
ホッパー「西部のモーテル」
今回もまた前回・前々回に続いて、三度(みたび) ホッパー作品を取り上げました。
ホッパー「西部のモーテル」
今回もまた前回・前々回に続いて、三度(みたび) ホッパー作品を取り上げました。
エドワード・ホッパー、「西部のモーテル」
Edward Hopper
78x129cm, Oil on canvas, Yale University Art Gallery.
今回もまた前回に続き、何の変哲もない室内画ですが、今回の作品は住宅ではなく旅先のモーテル内の光景です。
この作品もまた筆者のステレオタイプなイメージでは、往年のハリウッド映画の一コマのような印象を持ちます。
姿なくも、女性の座するベッドの対面のソファーには、この場面を目の当たりにする同伴者の持ち物らしき布片が置かれ、
そのまた対面の画面左側には、窓から垣間見える車から運び込んだばかりであろう旅のトランクが到着直後を暗示していて、
屋外の見慣れぬ西部の荒涼とした風景を見終わった所在なさげな女性の視線を受けているのが、画家本人かも知れません。
他に描かれている室内の什器や家具類も最少限ながら、見る者の経験則を刺激・誘発させて、それらの質感もリアルです。
丸い青乳白のシーリング・ライトにカーテンや絨毯、それにサイド・テーブル上のライトと卓上時計らしきものが見えます。
旅先で出会うよそよそしくも、また同時に親しみをも感じる備品類の有する非日常的存在感が、質朴に描かれています。
一方、屋外に目をやれば、そこにはアメリカ大陸は西部の乾いた岩塊が、西日を帯びて大地の上に横たわっています。
陽射しがなおも眩しい昼下がりにもかかわらず、筆者はそこに何故だか夜の淋しい帳(とばり)をも感じてしまいます。
一方、同伴者の室内の女性は旅行用の気軽な服装ではなく、何故かパーティー・ドレスにも見える盛装姿のようです。
でも当時(50年代)のライフスタイルでは日常的かも知れず、ミステリアスな光景による想像は拡大・増殖してゆきます。
従来の伝統的な抒情ではない叙事的な世界が育む、見る側の想像力がこの画面の外と前後の時空に広がってゆきます。
画家ホッパーの描いた西部のこの光景と見た者とがコラボし紡いでゆくオリジナルの映画、その顛末やいかに・・・。
* * *
「ミュージック・ギャラリー(その288)」
今回のこのコーナーもまた前回同様に、筆者の勝手な見立てにて、下の選曲をしてみました。
歌い手はこのコーナー2度目の登場で、前回は代表曲的名曲「ロンドン・ブリッジ」でした。
前回の軽快なノリとは異なるしっとりとした雰囲気、ホッパーの上述作品が呼び寄せました。
ジョー・スタッフォード、「ノー・アザー・ラブ」、(原曲:ショパン、トリステーゼ)
Jo Stafford , " No Other Love " , 1950
原曲はショパンの「別れの曲(邦題)」ですが、情熱的な恋愛詞にポール・ウェストンが編曲して秀逸です。
動画の1分15秒辺りからは、上の作品同様のアメリカ大陸独特の古生代からの岩山のシルエットが登場します。
画面に登場する女性の心情か、はたまた室内に静かに流れ漂い、沈殿してゆくラジオからの音楽かも・・・。
ウッド・ベースをはじめ、バック・オーケストラの醸し出すウォームフルなゆったり感も けだし快感です。
*
もう1曲、選んでみました。
こちらは画面(場面)を見ている同伴者としての男性の心情として、筆者が勝手に見立てました。
この曲、以前にも当コーナーで取り上げ、その際にはナンシー・シナトラ盤でお届けしました。
「ミュージック・ギャラリー(その288)」
今回のこのコーナーもまた前回同様に、筆者の勝手な見立てにて、下の選曲をしてみました。
歌い手はこのコーナー2度目の登場で、前回は代表曲的名曲「ロンドン・ブリッジ」でした。
前回の軽快なノリとは異なるしっとりとした雰囲気、ホッパーの上述作品が呼び寄せました。
ジョー・スタッフォード、「ノー・アザー・ラブ」、(原曲:ショパン、トリステーゼ)
Jo Stafford
原曲はショパンの「別れの曲(邦題)」ですが、情熱的な恋愛詞にポール・ウェストンが編曲して秀逸です。
動画の1分15秒辺りからは、上の作品同様のアメリカ大陸独特の古生代からの岩山のシルエットが登場します。
画面に登場する女性の心情か、はたまた室内に静かに流れ漂い、沈殿してゆくラジオからの音楽かも・・・。
ウッド・ベースをはじめ、バック・オーケストラの醸し出すウォームフルなゆったり感も けだし快感です。
*
もう1曲、選んでみました。
こちらは画面(場面)を見ている同伴者としての男性の心情として、筆者が勝手に見立てました。
この曲、以前にも当コーナーで取り上げ、その際にはナンシー・シナトラ盤でお届けしました。
こちらもまた上の「ノー・アザー・ラブ」に負けないほどの歯の浮くような情熱的な歌詞です。
以前の筆者なら恥ずかしさが勝って、即パス&スルーしたであろう世界です。歳を重ねました。
アール・グラント、「ジ・エンド」(1958)
Earl Grant," The End " ( At The End Of The Rainbow),
ホッパー作品の叙事的世界に賛辞を送っていた割に、感傷的に過ぎる選択・歌詞だったかも知れません。
ご来訪の皆さんも、自分自身がこれだと思うそれぞれの絵に合うBGMを見立てて楽しんでみて下さい。
ご来訪の皆さんも、自分自身がこれだと思うそれぞれの絵に合うBGMを見立てて楽しんでみて下さい。
センチもまた「秋」到来の兆しの一つかも知れません。
しかも、やがて来たる冬の前の人生の「秋」の・・・。
( 今夜の飲酒の影響かも?)
( 今夜の飲酒の影響かも?)
By T講師
ジョー・スタッフォードにジュリー・ロンドン、ドリス・デイ、アニタ・オデイにクリス・コナー、
秋ともなると筆者が無性に聞きたくなるジャジー・スモーキー・ハスキーな女性シンガーたちです。
ハイテク&スーパー・フィジカルな歌自慢の歌手たちには、筆者 食指を動かされることはありません。
コーヒーやお酒の存在が嬉しく輝くこの季節に、彼女たちの歌声に癒されたいと思う今日この頃です。
中断していた絵画の仕上げも何とか再開。当ブログ上に完成作と新作アップが出来るよう頑張ります。
ジョー・スタッフォードにジュリー・ロンドン、ドリス・デイ、アニタ・オデイにクリス・コナー、
秋ともなると筆者が無性に聞きたくなるジャジー・スモーキー・ハスキーな女性シンガーたちです。
ハイテク&スーパー・フィジカルな歌自慢の歌手たちには、筆者 食指を動かされることはありません。
コーヒーやお酒の存在が嬉しく輝くこの季節に、彼女たちの歌声に癒されたいと思う今日この頃です。
中断していた絵画の仕上げも何とか再開。当ブログ上に完成作と新作アップが出来るよう頑張ります。
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