2017年5月14日日曜日

ウィークリー・ダイアリー(その10)

「ウィークリー・ダイアリー(その10)」
「ゴールデン・ウイーク 顛末記」

大型連休後半、庭仕事の予定のあった筆者、それをあえなく反故にしてしまいました。
その理由は、御覧のようなテナー・サックスを図らずも突然購入。
そのクリーニング・修理・調整に2日間を費やしてしまいました。
以下は、その顛末を少々長めのドキュメンタリータッチでご紹介。
( 興味のある方、時間的余裕のある方はどうぞお読みください。)   

左:今回購入の超格安テナーサックス。  右:高校時代から所有のアルトサックス。

 某有名中古店で出会ったそのテナーサックス、超格安で対面初日には「やはり(不可)」と判断。
各部・各所は動かず、ケースやリード(唄口の一部・竹製)も無く、単なる粗大ゴミか装飾品と判断。
当日は購入する気もなく帰宅。でも後ろ髪引かれる思いが翌日にもたげ、中古店を再度訪問することに。



その前に、筆者とサックスとの出会いを少々記しておきます。
遠き過去の高1の1年間弱、筆者・吹奏楽部に所属、指導者の都合で打楽器からサックス隊に配置換え。
与えられたポジションがアルト・サックスで、厳しさでならす部で日々猛練習づけの日々を送りました。
週に一度の音感チェックでピアノの前に立たされ、部長の査定を受け、劣等感のみ積もっていきました。
何しろアルトのドがピアノのミの半音下で、それを計算、瞬時に答える耳と器用さはありませんでした。
唯一の楽しみは高価な楽器購入のための部費稼ぎで行く米軍基地内でのナイター・フットボールでした。
小さな島とは思えないような大群衆の米人たちに囲まれて、昼間のような明かりの中でのパレードです。
フットボール選手巨体軍団の怒濤のような足音と、大群衆観客たちの大歓声とでもう興奮の極みでした。
そんな大群衆の中、ハーフタイム・ショーでコート中央でパレードを披露出来たのは貴重な体験でした。
ちなみに厳しかったアルトの先輩、今では国内でも著名な数少ないプロのクラシック・サックス奏者です。
その後、美校時代にジャズ・トランぺッターの友とバンドを結成、母校学園祭や都内他校での演奏も経験。
ちなみにその友、筆者妻の友人と結婚。その彼もまた今では著名なオートマタ人形の作家となりました。

下は筆者20代半ばの写真で、都内・杉野ドレメ学院での我らがジャズ・ブルース・バンドのライブの様子です。

 トランペットを熱演しているのが、人形作家となったムットー二君です。後方のドラムはパーマ頭の筆者。

 ムットーニ君と二重奏しているアルト・サックスの筆者。曲は「思い出のサンフランシスコ」です。
あまりにも懐かしき写真で涙がちょちょぎれそうです。写真ではイッパシのミュージシャンですね。



脱線話がまたまた長くなりそうなので、ここらで話を元に戻します。

ところが・・・、
初老夫婦の先客(夫の方)が既にそのサックスを手に取り、物色真っ最中。「ウヮッ、買われてしまう!」
「僕は学生時代、ジャズ研だったからさあ~、老後に趣味でまた始めようかなあ~と思ってさあ~・・・」
「あら、いいんじゃぁない。ジャズなんて、これからの良い趣味だと思うわよ。」と隣の奥さんが勧める。
「パコ・パコ!ガチャ・ガチャ!」その夫君、サックスを手に駆動各部をせわしなくチェック。
「ありゃ、こりゃ全くダメだ!オクターブもキーも全然動かないし、ただの屑だ、クズ!」
物色を終えた夫君、吐き捨てるようにそう言い、そのサックスを展示棚へと無造作に戻しました。
筆者、胸をなでおろし、夫婦が商品棚の向こうへ消えるのを待って、早速そのサックスのもとへ。
筆者、昨日とは違った厳しい目で、そのサックスの細部をあらためて観察し始めました。
確かにオクターブ上げ用のアームは動かないし、キー(音階孔のフタ)も2~3ヶ所が動きません。
でも若かりし頃に所有のアルトサックスの修理経験のある筆者、修理の可否を丹念に見極めました。
キー裏の皮製のタンポの状態、駆動軸や棒状バネも一つも見落とすことなく、入念に全てチェック。
帰路で戻ってきた先程の夫婦、筆者の真剣な様子を見て「時間の無駄だよな」と小声で奥さんへボソリ。
確かにその夫君の言うとおり、購入は時間とお金の無駄になるかも知れません。「こいつは賭けだな。」
「ま、駄目元だ。修理不能ならアトリエのモチーフとして使えば良いし、何しろ破格の値段だからな。」
「よし、買おう!」
筆者、そのオンボロ・テナーを手に、レジへと急ぎました。
裸のままのサックスを持って、屋外に出たのは超久々です。


浪費癖・修理熱のある興奮冷めやらぬ筆者、いそいそとアトリエへと向かいました。
そのテナー、リードも無かったので筆者のアルト用のリードを流用して、まずは初の音出し確認です。
付属のマッピ(マウスピースの略語)、国産の本体とは異なり、何とあのフランスのセルマー社製!
そのレトロチックな外観のマッピを熱湯で消毒、その後、食器用洗剤でしっかり洗い、水気を取り、
多少のサイズ違いには目をつぶり、テナーのマウスピースに若干小さなアルト用のリードをセット。
「ブオ~!」
筆者の前面で予想外の大きな音が発せられ、周囲のギターたちが歓声のような共鳴音を発しました。
「よし、第1関門、突破!」
「まずは洗浄だ」マッピとネック部を取り外し、楽器の関節である各駆動部に潤滑剤をスプレー塗布。
本体表面各部で余って溜まった液状の潤滑剤をクリーナー代わりにして、汚れ箇所を布で清掃・除去。

ここからは「T講師のクラフト・コーナー」よろしく、各部の修理の開始です。
各部の不具合とその故障原因を見極め、その機能を回復させることに筆者 いつしか夢中になりました。
キー・カバーが動かなかった原因は回転軸のネジが緩んで歪んでいたことや、手入れ不足の油切れでした。
上端ネック部のオクターブ・キャップも連動可能となり、キー・カバーも全て開閉可能になりました。
キーカバー全ての開閉軸も潤滑剤を浸潤させて、開閉を幾度も繰り返し、汚れた油分を除去しました。

クリーニング後のオンボロ・テナー(右)、綺麗になりました。

潤滑剤が洗浄剤も兼ねたので、見違えるほど綺麗になったテナー、次にマッピ・キャップの自作に着手。
マッピに付けられた葦製のリード、先端が尖っていて繊細なので、保護の観点からその必要性は大です。


3年前、近所の竹林の所有者からいただいた乾竹を利用。先端に円加工した木材をはめ込みました。
リード締め金具の部分をカット、先端中心部に湿気抜きの穴を開け、更に丸く削って研磨しました。
その後、アクリル絵具で下地・目止め塗装。最終仕上げに金色とクリアーをスプレーコートして完成。
作業終了後、ネット通販でテナー用のリードを注文、翌日に届くとのこと。何と便利な世の中でしょう。
気がつけばいつしか夜の帳が降り、筆者 作業のアトリエ以外は既に真っ暗闇に包まれていました。充実。

「購入から2日目、演奏開始と本格修理」

かくて連休後半の丸1日をつぶした筆者、庭仕事・未着手を悔いつつも、もう修理熱は止まりません。
翌日、綺麗になり過ぎて味わいが減ったサックスを手に、満を持して初のメロディー吹きに挑戦です。
筆者若き頃に暗譜した(今ではうろ覚えの)ポップスやジャズのスタンダードを演奏してみました。
ところが同じ音程で幾度も異音を発するので調べてみたところ、F♯のキーがしっかり閉まっていません。
人差指で強く押さえても、本体の音階孔とキーカバーとの間には僅かながらも、隙間がありました。
これでは正確な音が出るはずもありません。筆者はその修理に着手。
キーカバー裏にはまっている皮製のパッドを外し、その隙間にスペーサーを挟んで再度装着しました。

  左:取り外された皮製キーパッド(タンポ)  右:自作マッピ・キャップも装着した修理済テナー。

柔らかな皮製の音孔パッド、取り外す際に器具で傷つけてしまい、その修理も加わってしまいました。
とは言え、修理は完了。そうこうする内にテナー用リードも届き、めでたく演奏可能と相なりました。
(他にも不具合箇所が幾つか存在、但し演奏に支障なく、追々手を加える予定で、又アップします。)

10代ではロック少年だった筆者、成人後は美校時代の友人たちとジャズ演奏にもはまっていました。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン、思い出のサンフランシスコ、モーニン、レフト・アローン等々。
筆者20代中盤の若き日の情熱が蘇り、2時間ばかり、しばしの独奏を堪能することが出来ました。
アルトとはまた違った男性的な豪快なサウンドが魅力です。しかしアルトの良さも再び見直しました。
久々に吹くサックスに心肺機能も高まり、気が付けば前日同様に空腹も闇夜も押し迫っていました。
「めでたし、めでたし」
 かくて連休後半に予定されていた庭仕事はオジャンとなり、薫風5月の定番・過去蘇りの日々となりました。
「充実!」

* * *

「学童クラブ便り(その119)」

「学童バンド、ニュー・ウェ―ブ台頭す」

1番目・結成のお馴染みの「おてんば組(筆者呼称)」、屋外の公園遊びや練習日の欠席が続きました。
偶然にもその間隙をぬって、4~5年生・混成バンドの「ちほちほ組(筆者呼称)」が頑張りました。



彼女たちの練習曲「ビートルズのマネー」、コンビネーションも良くなり、サウンドに厚みが加わり出しました。
ベース・ギター担当のF・Chちゃん(小5)の足元には、その肝たるエフェクターのオクターバーも見えます。
そのリフレイン・パターン演奏を本来のバック演奏として、日本語の替え歌もそろそろ仕上げないといけません。
何しろ「お金」のマネーでは少々お下品な感じなので、「ものまね」のマネに転化しようと目論んでいます。
「乞うご期待」


こちらは小3バンドの「呪い組(筆者呼称)」、ギタレレ使用で、運指の稽古に余念がありません。
リーダー格のMkちゃん、他のメンバーに先んじて運指をマスター、率先して他の子たちへ教授中。



ギタレレの次はドラムの稽古。みんなマルチ・プレーヤーを目指しています。
またその方が各楽器との関連性が分かり、非常に有益な練習法です。


こちらは小2・小4年の混成バンド「あや・ここ組(筆者呼称)」、練習機会が少ないながらも、真面目です。

リーダー格のAyちゃん(左・小4)、譜読みの出来ない小1kkちゃんのためにドレミを振っています。

Ayちゃんに書いてもらったカタカナ・ドレミで、パフとカントリーロードの練習です。
骨折治療中のkkちゃん、情熱が凄く、この状態でギターもドラムも教えてくれと大変です。
「先はまだまだ長~い。焦らず、頑張ろうね。」

 *

スポットで度々学童クラブへやって来るK君(小3)、特別に電子ドラムを初体験。

他の男子たちと違って静かに図工に集中する自己完結型のK君、幼年時代の筆者を見るようです。
ドラムミングもまた抑制的でした。「ドラムを叩く時は、もっとはじけて良いんだよう~。」

* * *

「学童・美術教室(その2)」

今週も新入生の学童たちを集めて、お絵かき教室を行いました。
前回・初回に続き、まずは「円(丸)」「三角」「四角」の組み合わせ描画。
その次に「明・暗」と「明・中・暗」の塗りつぶしで、各種の図案と立体把握法を指導。
基本的な形体をかみ砕いて把握させることで、モノの見方がアッと言う間に進歩します。
以下はその作品のほんの一部です(撮影、気が付いた時には、持ち帰られていました)。


その後、それらの応用として色々な動物や生活道具などの描き方も指導、みんなも楽しく描画していました。

* * *

「デイリー・ギャラリー(その58):春、進む」

仕事の合間に撮った近所の身近な花たち。春も更に進み、初夏陽気の日も増えました。










大型連休も終わり、陽射しの存在も一段と力強さを増し、来たる梅雨や夏を想起させます。
「一期一会」の爽やかな涼風と、低湿度の澄み渡った青空を日々堪能したいと思っています。

By T講師

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